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『ひらいて』

評価:
綿矢 りさ
新潮社
¥ 1,260
(2012-07-31)


 
「いつからだろう。授業中、ひまさえあれば彼を見るようになったのは。」


状況説明と登場人物の説明が数ページあって、めくって、こうくるんですよ。
ページをめくった最初の1行にポンと。


今日は、書籍の電子化についての勉強会があって、
「リフロー式の場合、ページや改行の概念がなくなります」
という説明を聞いたばかりで、おおと思うところあり。

私も一応、ここ数年、紙→デジタル化作業をやってきて
ライターさんから
「ここ、箱組こぼれちゃってるの気になりますよね?」
「いえ、いいんです、このままで。今回ネーム流し込んじゃうんで。
見る人の環境によって改行位置が変わっちゃいますから。箱組とか気にしないでいいんです」
っていうやりとりを何度かしました。

ブラウザの違いとか、スマホなのかPCからなのか端末によって改行位置が変わる。
雑誌のように写真の下にぴったり何ワード×何行、というものじゃない
という場合も多い。(あえてそういうデザインにしないことも多いですけど)

それはそれでよい、と思っている自分もいながら。

ああ、そうだ、めくるという行為による一瞬、コンマ数秒の間があって、
ほい、と出てくる次の一行のクラクラ感。
見開きの途中とは別格だ。




今はなくなってしまったんですけけど。
NHKのすごく大好きだった番組「ディープピープル」という番組で、
ミスチルのプロデューサーの小林武史さんが
「イントロで出したメロディをサビで繰り返して、Bメロでアレンジしてまた出てきて…と曲のなかでメロディがどんどん成長していく感じがいいと思っていて。意識している」
というようなことを話していて(うろ覚え)。
すごい納得した。

なんかこう、スパイラルのように渦を巻いて、
一度聞いたメロディーラインがリフレインして出てくることに、
わーーーっとわき上がってくる高揚感とか。
ひと呼吸あいて、またポンと同じメロディの変化版が繰り返される感じの快感。
♬果てしない〜闇の向こうにぃ、ウオオー、手をのばそ〜♬
のその感じですよ!!

が、ページをめくったそのときにはある。
サビの前のその一瞬の静寂。
こう来そう、と予感して、予感した通り&それ以上のポーン!



綿矢りささんは、中高生のその感覚から止まったままでいられるのですか。

だとしたら、うらやましいなあ。

私、この本を読みながら、そうだ、中学生のときに、
掃除当番も終わった、部活が始まるその時間の放課後に呼び出して
ガチ告白をしたことがあるのを思い出しました。

そのあと、付き合えたのか、振られたのかのもぜんぜん覚えてない。
けど、授業中、体育の時間、教室移動、気づけば目で追って。
名前の中に含まれる1文字が出てきたら、ふわっと嬉しくなった感覚は
ときどき思い出しますの。





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