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大切なことはすべて

 
先日、母の還暦のお誕生日を迎えました。
お祝いにジャマンピエッシュの赤いお財布を贈ったら
その場で号泣されてしまった。

「赤いちゃんちゃんこみたいで、こんなの嫌だ」と。

予想外の反応の戸惑う私。

でも、そうだった。
しばらく離れて暮らしていて、忘れかけてしまっていたけど
母は非情に繊細な人で、そして感性が少女なのです。

ジャマンピエッシュを最初に私に教えてくれたのは母でした。

「アッシュペーフランスというめちゃめちゃいけてる小物やがある」と。
「VIA BUS STOPにも少し置いてたんやけど、あのバッグはスゴイ」と。

私が大学生のころだから12、3年前だったと思うけど
食費もバイト代もぜんぶファッションに費やしていた情熱の炎に
風をぱたぱたと送っていたのは誰でもなくうちの母でした。

新入社員歓迎会の帰り道、女の先輩が私のバッグを一瞥して
「あ、ジャマンピエッシュでしょ?それ」
と指摘しました。一番地味なやつを選んだつもりだったのに。

「いいと思うよ、そういう感度。大事だから。営業だったとしてもね」
とその人は言いました。
とっても嬉しかったからよく覚えてる。神楽坂の店の前。

それから10年たって。


平日、母から電話がかかってきて、なにかと思ったら
カードを紛失したので、身分証明書が必要になったのだけど
「公共料金の領収書」が必要で5大公共料金に電話代は含まれるのか、という質問でした。

会社にいたので、「うーん、ちょっと待って、今ネットで調べる」
「正確に言うと違うみたいだけど、そのカード会社のHPにはNTTの領収書でもOKって書いてあるよ」

最近、そういう母からの問い合わせが多くなってきた。
ごめんね、忙しいときに、ありがとう、と電話と切りかけて
「そんなことで動転して仕事中の娘に電話かけて、私も歳をとったなあ、って思うの」
とつぶやく。

歳とったとかそういうことじゃないんじゃない?
うん、まあ、いつでも電話してよ。

と切って。
でもやっぱり歳とったんだなあ、と思った。


大切なことはなんでも母が教えてくれた。
料理もファッションも、人付き合いも。
少しづつ逆転しつつあることを、悲しく思う。



「やっぱりあの、赤いお財布、使わせてもらうことにしたわ」
ハガキが来た。

60歳だと1000円で映画観れんのよ。
でも窓口で「60歳です」なんて言うのほんま嫌やわ。

ま、800円でパンフレットも買える、と思うことにしてん。
面白い映画があったらまた教えて。



うん。そうするね。




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